大切な人を失わないために~自殺の防止

全国では平成18年に自殺対策基本法が制定し平成28年に再び改正されました。
なぜこの問題をテーマに触れたいか。探偵社にとっては接点のない問題に思えるかも知れません。ですが現在当社に寄せられるご依頼、特に多くは自身の大切な存在を対象とした「いじめ調査」「家出人調査」のご相談の中で、事の性質上やはり最悪の事態としてご相談者様の懸念にあがることは多く、その方々の心配で心配で夜も眠れない、しかし専門家でない為にどうしたら良いのか、大切な相手にどう表現すれば良いのかわからないという大変に想い苦しんでいる姿を日々目の当りにしているからです。
もちろんその問題は難解であり、ここで触れたからと言って解消する単純な話ではないでしょう。しかし早期、問題・兆候が軽度の段階でこれが周囲の方の意識に触れることで、最悪の悲しい事態を避ける一助にもしかしたらなるのではと考えました。そこで自死の代表的な予防法についてお話ししていきたいと思います。

「自殺」その原因・動機については、「健康問題」「経済・生活問題」「家庭問題」「勤務問題」「男女問題」「学校問題」「その他」「不詳」と統計上大別されていますが、あくまでそれらが多様かつ複合的に作用して「自殺の要因及び背景」となります。(※因みにその中で「健康問題」精神疾患による、鬱病等の気分障害の比率はやはり少なくはありません。鬱病に関してはまた少し後に述べたいと思います)

 

〇現代社会でのサポート状況

厚生労働省によると我が国では平成9年から平成10年にかけて、それまで年間2万人台前半であった自殺者数が3万人を超える高い水準に推移したとされています。これは主要先進7か国の中では最も高い数字となっています。今日では減少の傾向が見られますが、未だ20歳代や30歳代における死因の第1位が自殺となっているのです。

実は山口県でも毎年200~300人の方が自殺により亡くなっています。そういった問題に対し、山口市、防府市、宇部市、周南市など各市の保健センター内に「問い合わせ窓口」があったりはするのですが、如何せんそこに行き付く迄が分かりづらく、正直充分な「認知」がなされているとはまだまだ言えない状況です(認知を広げる為、窓口一覧のリンクを貼らせて頂きました)。その他に気軽に頼ることのできるサポートというものも決して多くなく、全国のなかでは比較的に見て対策が遅れている様に私は感じています。もちろん地元の良い面を探し盛り立てる事も大事ですが、同時に難しく向き合いたくない面、人間であれば当然そうなりがちな部分こそが疎かにはしてはいけない重要な事の筈なのです。

山口県内の相談機関
(外部リンク) 県内の相談窓口一覧 山口県ウェブサイト(リンク先「心の健康」のPDFファイル参照)

 

〇予防の為、予兆を見逃さない

貴方の身近な人・大切な誰かの自殺を予防するために、まず最初に最も重要なのはその兆候を決して軽んじず、いち早く気づき対応してあげることです。主な兆候をあげるとするならば以下となります。

①後ろ向きな言動が増す
例えば「生きていても意味がない」「将来はない」「何もかも消えてほしい」「誰も自分のことを必要としてくれない」「わかってくれる味方がいない」「自分のせいで迷惑が掛かる」、こういった言動が極端に増える。

②急に身辺整理をする
突発的な自殺と計画的な自殺と分かれますが、もし計画的であれば「自分が死ぬことで誰かに迷惑をかけたくない」という心理が働くとされています。

③引きこもりがちになる
外出しても幸せや刺激を感じず、出る必要性も考えなくなります。長期的ストレスに晒されていた方のなかには、今の状況で幸せになるという発想自体が出来なくなっているという場合も多々あり、1人で考える時間がある故にどんどん思考が悪い方向へ向かう事もありえます。人間にとって他者との繋がりはやはり絶対的に重要なのです。

④不眠・食欲不振に陥る
こういった自分の身体の不調によって、ますます不安な気分になりがちです。

⑤不審な行動をとる
古い思い出話を語る、過剰な感謝をするなどの違和感。安心を失い、精神的に不安定な状態です。

※未成年のケースでは大人のそれと違い、客観的に見て「まさかな…」と思える非常に些細な悩みが自殺の原因に繋がっている事もあります。

例:
・成績が不自然に落ちる。
・子供や動物を虐待する。
・身だしなみを気にしなくなる。
・引きこもりがちになる。不登校
・不安やイライラが増し、落ち着きがなくなる。
・好奇心を失い、投げやりな言動・行動をする。
・注意が散漫となり普段なら出来る様な事が出来ない。
・不眠、食欲不振、体重減少などの様々な身体の不調を訴える。
・ノートに自殺に係る文を書いたり、自殺に係る絵を描く。
・家出。乱れた性行動に及ぶ。等

 

兆候を見た時、私たちが心掛ける予防策

①安易な応援をしない
頑張っている人を応援するということは、「頑張りが足りない」と言っているのと同じことにもなりえます。特にそうとも感じられるニュアンスにならない様、意識して気をつけましょう。

②定期的に会う約束などをする
先の予定を組んでしまうのも自殺予防に有効です。「自殺したら約束をした人に迷惑がかかる」と考えて自殺に歯止めがかかるのと、予定があることで生きる意味を見いだすことも期待できます。

③気にかけていることを充分に伝える
自殺を考えてしまうくらい心がボロボロな状態のときには、自分のことを気にかけてくれる存在が一人いるだけでもいくらか穏やかになれますし、頼りにしたいと感じるはずです

④専門家へサポートを依頼する
自殺対策を支援する専門機関に相談をしたり、本人のカウンセリングを依頼しましょう。自殺対策のプロですから、貴方がどのように本人と接したらいいのかアドバイスをしてくれたり、本人の心のケアをしっかりと行ってくれます。

 

自殺の兆候がある人が家出や失踪をしてしまった場合

家出・失踪について全国では毎年8万件以上の捜索願が提出されています。
もし自殺の兆候を抱えた人の行方がわからなくなってしまった場合、加えて「長時間経過している」「遺書が残されていた」「警察が思う様に動いてくれない」、もしそんな状況下に於いてはとても落ち着いてなどいられないでしょう。ですが時間が経てば経つほど痕跡は消え、有力な情報を失いかねません。まず警察に捜索願を提出し、ご自身方でも探すのは勿論のことですが、我々探偵も経験によるノウハウ・即座に捜査を開始できるという長所があります。どうか探偵への依頼もご一考下さいませ。

見つかって安心しても忘れてはならないのが保護した後のケアです。真剣に本人と向き合い、本人もそれを支える側も一緒になって原因を解決していかなければ、再び同じことのくり返しが起こる可能性すらあります。
人間の心の中の事なので当然解決には時間はかかります。しかし大切な相手の為であれば、そんな事は最初から覚悟の上で根気強く支えてあげて下さい。相談機関には絶対に本人が行かないといけないというものではありません、その多くが支える側の人間の相談にも応えて下さると思います。

 

〇うつ病との関係性

鬱病とは現在では約15人に1人の割合でかかると言われ、皆さんにとって非常に身近なものとなっています。精神だけでなく肉体にもその影響は多く表れます。
軽度であれば「気持ちが晴れず落ち込みやすくなる」「自律神経が乱れることにより腹痛を起こす」「思考能力が低下し正常な判断や会話ができなくなる」「免疫機能の低下により湿疹や円形脱毛症などができる」といった症状が現れ、重度と呼ばれるものになると「小さな音や光に対し非常に敏感になる」「味覚が鈍る」「過呼吸になる」「自殺を考えて失踪する」危険もあります。

鬱病の兆候がみられる場合、早い段階で実績あるカウンセラーさんによる診断を受けられればそれに越したことはありません。そこで悩みや苦痛に感じている部分を人に話し安心感を得られるだけでなく、自身の内面の整理をすることができたり、今後どこでどのような対処をするのが良いのかが明確となります。

※注意点として。鬱病の方が不眠や鬱状態の解消のためにお酒を飲む、飲酒量が増えるということは多く耳にします。しかし実は飲酒は鬱病の悪化につながる行為として極めて有害な事とされています。鬱病を患っていた方が自死の直前に飲酒量が増えていた、泥酔した状態で自殺に至ったといったケースは多々ありますし、既に自殺に際してのアルコールの有害性は認められています。

もし貴方の大切な方、またご自身に鬱の症状が見られると本当に感じたら、鬱病とは先に申し上げた様に身近なものとなっています、お酒などによる一時しのぎをするのではなくして根本的な解決へ進むよう恐れずどうか専門家の意見を伺いに行かれてみて下さい。

 

 

このページの参考サイト:
(外部リンク)うつ病 こころとからだ シオノギ製薬・日本イーライリリー
(外部リンク)自殺のサインと対応*PDFファイル 文部科学省
(外部リンク)みんなのメンタルヘルス 厚生労働省

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